2009
06
04

天安門(六四)事件とは

tiananmen-art.jpg
今日6月4日は、「天安門(六四)事件」から20年目を迎えます。
その概略を調べてみました。
直接の引き金となったのは、思想解放を掲げて改革を推進し、広く民衆の支持を集めていた胡耀邦前総書記の死去。

(胡耀邦が民衆から広く愛され、開かれた指導者だったことは、山崎豊子の小説「大地の子」にも詳しく描かれています。 文化大革命を題材にした「大地の子」は、胡氏の協力なしでは完成しなかったとも。)

胡耀邦は'81年に中国共産党主席に就任するも、小平ら保守派長老との権力闘争に敗れて失脚。
98年4月8日の中央政治局会議上で倒れ、15日死去。(政治局面における混乱は、党の腐敗に原因があるとして提起するも、本議題から離れるとして姚依林李鵬が反対。⇒姚依林退席 興奮した胡耀邦は強い演説を続けるなか卒倒したとされる)

民主化に積極的だった胡氏の死去を悼み、翌16日には民主化推進派の学生たちによる追悼集会、17日には約1000人の市民が北京・天安門広場に集まり花輪を捧げ始める。 これをきっかけに、民主化を求める集会が広がっていった。
保守派の長老は趙紫陽総書記が訪朝中の4月24日、運動を「反党・反社会主義の政治闘争」「動乱」と定義する。

折りしも同年5月4日は五四運動の70周年記念。
また5月15日~18日にはゴルバチョフ・ソ連大統領(当時)の訪中が予定されており、「ペレストロイカの旗手」への期待からも民主化運動はいっそう膨れ上がることに。

5月13日、北京大学生の王丹らが天安門広場でハンストに突入。
知識人らによる仲介工作も不調に終わり、撤収を求める当局との対立が深まる。
5月17日前後からは、天安門広場は連日100万人を越える学生や市民で埋め尽くされる状況となる。
(政治学者の厳家祺「独裁者は辞職せよ」小平の打倒を宣言)

5月20日には北京市内に戒厳令を布告(反対した趙紫陽は戒厳令布告会議を拒否。自ら失脚の道を選ぶ)するも事態は沈静化せず。

tiananmen_impossible.jpg

ついに6月3日深夜~4日未明、人民解放軍(推定10万)を投入した武力鎮圧へ。
中国国内では「何も無かった」ことにされているが、学生達への発砲や装甲車・戦車による轢き殺しなど多数の死者が出た様子がCNNらによってによって報道される。
TIANANMEN_SQUARE_DEAD.jpg

3 JUNE - NIGHT OF BLOODSHED 当時のBBCニュース速報(ストリーム映像)
http://news.bbc.co.uk/1/hi/world/asia-pacific/8045838.stm


事件後、中国共産党は天安門事件を「反革命暴乱」と規定。
趙紫陽は「反革命に味方した」として総書記を解任。 後任には小平の指示により、江沢民が抜擢された。
中国政府は海外諸国向けに「天安門事件の真実」という小冊子を北京市長名で作成。
そこには「趙紫陽は普段からゴルフに興じているブルジョワであり、学生の要求に屈し、反階級の道に堕ちた」「天安門暴動での死者はなく、学生が警察車両に轢かれてれて負傷しただけ」と記述されていたそうです。
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当時の共産党執行部を描いた風刺画



Prisonar_of_tht_State.jpg「皆さんはまだ若く、前途は長い。皆さんは健康に生きて、わが中国が四つの現代化を実現した日を見なければならない。われわれは老いたからどうということはない」
'89 5/20(戒厳令布告日)の『人民日報』より
戒厳令布告会議を拒否し、自ら失脚の道を選んだ趙紫陽が天安門広場に座り込んだ学生らを見舞った言葉。

元総書記・元国務院総理でありながら、15年余の軟禁生活を経て2005年1月17日に死去。
軟禁中に録音した発言をまとめた回顧録「国家の囚人」(英語版)が19日、香港や米国で出版。

ちなみに'89年以降、学生は「反革命・ブルジョワ分子」として「国家の敵」とされ、現在も公式にはこれが通っています。

tiananmen-square-crushed.jpg
冒頭の追悼アートの元となったと思われる写真

なお、中国国内では、あらゆる情報が統制を受けており、ネット通信にも検閲システムが導入済み。
「金盾(ジンドゥン)」(通称"the Great Firewall of China")と呼ばれる検閲システムによって、すべての通信を検閲あるいは遮断しています。
それらは単なるフィルタリングに留まらず、IP アドレス履歴を解析から各人の政治的傾向をも分析。 音声と顔認識・監視カメラ・各種ICカード・クレジット記録などを含めた国民監視システムになっているとか。
もちろん、中国政府が好ましくないと判断した外国サイトは国内からアクセスできないような仕組みになっています。



GoogleVideo より




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