2009
06
26

グランプリ・サーカスから、一つの街が去ることに

Hockenheimring.jpg

自動車レース世界選手権の最高峰「フォーミュラー・ワン(F1)」において、ドイツ・グランプリ(ニュルブルクリンクとホッケンハイムでの隔年開催が予定されていた)「ホッケンハイム・リンク」でのレースを主催するホッケンハイム市は、財政難を理由にF1グランプリの開催を打ち切ることを決定。
予定されていた2010年(同サーキットでの)ドイツGPはキャンセルされ、2008年のレースがホッケンハイム・リンクF1最後のものになってしまいました。 Hockenheimring_Main.jpg
ホッケンハイム・リンクのメインスタジアム

・・・経緯には開催における幾つかの政治的背景もあるようですが、根本的には2008年のグランプリ開催で530万ユーロ(約6億2千万円)もの赤字を出したホッケンハイムリンク市と財政を援助する州政府が「開催料の高さやその損失に不満を抱え」結論として議会は開催を拒否。「ホッケンハイム・リンク」のF1撤退となったようです。

・・・ちなみに、2007年からドイツでのグランプリは「ニュルブルクリンク」と「ホッケンハイム」の隔年開催と決定されていました。
しかし同年「ニュルブルクリンク」でのGPは「"ドイツGP"開催権」がホッケンハイム側にあることから、急遽「ヨーロッパGP」へと変更され、2007年は記録上1960年以来47年振りに「ドイツGPが開催されない年」となっていました。
非常に奇妙な話ですが、このあたりにも興行的にオリンピックやワールドカップ以上の世界的スポーツイベント、またの名を「グランプリ・サーカス」における背景の重さと歪みがあるのかも知れません。

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メインスタジアムからみたホームストレート・エンド(開催されているのは二輪の練習走行)

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併設されている博物館(画像は四輪車部門の一部)

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サーキット全景図 (グレーの部分が改修前の「超高速コース」)
2001年のドイツGP後に大改修が行なわれ、全長は6.823kmから4.574kmへ大幅短縮。
タイトな近代レイアウトを持つ中高速コースへと生まれ変わることに。

このことは見せ場としての抜きどころが増え、安全性も高まるなど推奨されるべき点も多かったのですが、風物詩ともなっていた『森の中を時速360km以上で駆け抜ける超高速ロングストレート』が無くなり、結果としては当サーキットが持っていた独特な観客訴求力を失うことにもなりました。

Formula 1 - German Grand Prix Review 2008

最後の開催となった、2008年のドイツGPを伝える映像


なお、F1の統括を巡っては「国際自動車連盟 (FIA)」が来季から導入を決めていた「任意の年間経費上限制」について主要チームが猛反発。 結果「F1チーム協会(FOTA)」が設立され、分裂開催の危機も生じていました。
つい先日まで大幅にもつれた協議はなんとか合意に達し、来シーズンのチャンピオンシップが統一されることになったばかり。
種々の政治的背景に経済問題が重なり、「モータースポーツ最高峰」の世界にも大きな暗雲が垂れ込みはじめているようです。

7/2追記
現在事実上の「F1界の支配者(F1 Supremo)」である、イギリスの実業家「バーニー・エクレストン」は同サーキットでのグランプリ開催を強く望んでいる模様で、ホッケンハイム市側との折衝を行っているとのこと。
市側は'2010のドイツGP開催に向けて7月中に合意に至る可能性があることを認めているようです。

ただ開催への費用補助を審議していたドイツ州政府側は、確かF1(バーニーの)利権支配が「英国の法律であり認められない」と暗に批判していたように記憶しますので、あるとすれば主催権を委任譲渡したF1運営会社での「自主開催」?のようにも思えます。
ちなみに、ドイツGPもう一方の開催サーキットであるニュルブルクリンクも財政的には同様に苦しく、2011年からの契約には「2年に1回開催する形」を検討しているそうです。




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