2009
07
04

シュワ知事を悩ますのは赤字より政治 「財政非常事態」宣言のウラ側

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米カリフォルニア州のシュワルツェネッガー知事は1日、同州の「財政非常事態」を宣言、州の支払いや還付金について「借用書」の発行を決定しています。
6月30日、米カリフォルニア州議会は財政赤字解消の施策について州政府との合意に至らず、州は予算案がまとまらないまま新年度の7月1日を迎えることに。
これを受け、同州のシュワルツェネッガー知事は「財政非常事態宣言」を発表。 2日の記者会見上では「7月末までに現金が底をつく」とコメントし、納入業者への支払いや住民への税金還付について、現金や小切手ではなく「IOU(借用書)」の発行に踏み切っています。

NIKKEI NET 財政危機で「借用書」 米加州知事「7月末までに現金底をつく」

http://www.nikkei.co.jp/news/main/im20090703AS2M0301H03072009.html


同様ニュースは国内2日~3日付けで、複数のメディアによって伝えられていますね。 ニュースとしての扱いは大きくなかったのですが、ネットを巡るとその反応は大きいことが伺えましたので、採り上げてみます。

世界恐慌以来とも言われる不況と歳入減に、同州の財政が苦しいのは事実。 ただ、実は一月末にもほぼ同様な「財政非常事態宣言」(借用書は未発行)が発せられており、知事は今回と同様に「2月中に州の金庫がからっぽになる」と警告していました。
半年おきに「財政非常事態宣言」なんて、やはり破綻寸前なのでは?と思われる方も多いかもしれませんが、背景には民主党の強力地盤であるカリフォルニア州での、共和党(知事も共和党からの立候補)との政治的なせめぎあいがあるようです。


カリフォルニア経済研究所のスティーブン・レビー所長によれば、「州レベルでこれほどひどい状況('08末~現)は記憶になく、過去最大の財政難」としながらも、「世界有数の経済規模を誇る州が、年200億ドル程度の赤字で破綻することは考えられない。現在の議論は、現実的というよりもむしろ政治的なもの」としています。
ちなみに同州の予算通過には議会の3分の2の同意が必要とされる規定があるそうですが、「共和党は増税を認めない」「民主党は支出削減を認めない」という対立を繰り広げているのだとか。
そして民主党色の強いカリフォルニア州において、同党は州議会の過半数を制していますが、3分の2を占めるには至っていません。 結果「重要な決定はなにも行えない」という議会の空転がもたらされています。

産経ニュース「カリフォルニア州が破綻する?」 より
http://sankei.jp.msn.com/world/america/090125/amr0901251301003-n1.htm


つまり、シュワ知事の「やや大げさな発表」は共和党が民主党に屈さないため、世論の目をひきつけて州議会やひいては政府の反応を浮き彫りにするという効果を狙ったものでしょう。
ただ、現時点ではどちらが悪いとも言い切れないかも。 仮に民衆のためとするなら「どちらも良くない」話ですが、民主主義の観点で言えば、一方の利害支配を互いが監視している形とも言えます。


これら米 民主党vs共和党の対立を知る、最近の米経済ニュースの流れを紹介。

ギブズ大統領報道官は6/16日、「カリフォルニア州の財政問題は同州が解決する問題」と述べ、支援に消極的な姿勢を示していましたが・・・7/1日時点では「オバマ政権がカリフォルニア州の問題を注視している」「米政府による資金支援や債務保証などを提案している」へと変わりました。
同報道官の「引き続き状況を見守り、展開を見極める」という発言が、ある意味米民主・共和党との駆け引き模様を如実に伝えているかもしれません。(ロイター伝より)

また上のNIKKEI NET記事で伝えられている

米連邦準備制度理事会(FRB)」は、この借用書の乱発が金融システムを揺さぶりかねないとみて警戒。 預金者らに対し「取引先の銀行が州の借用書を受け付けているかどうかや、いつ現金が引き出せるかなどを確認するよう」注意を促している。


というコメントのウラを探ると・・・

米国の大手銀行の多くは、サブプライム崩壊まで一大ブームとなったカリフォルニア州やフロリダの不動産債権を買っており、米国の銀行界そのものが既に債務超過に陥っているとも指摘されています。
「連邦準備制度(FRB)」は米中央銀行にも相当しますが、実は(現状は民主党政権支持の)金融系財団から成る機関。
ガイトナー現米財務長官は同NY連銀総裁でもあり、共和党政権時代は国家金融政策からほぼ無視されてきたFRBへより強い権限を与えようと画策中です。(「システミックリスクの監視機関としてFRBが最もふさわしいとの見解」:6月17日)
一方で共和党は「連邦準備銀行」を構成する銀行家たちへの公的審査権限の法制化を提案しています。

Change!を謳ったオバマ大統領が、これら金融問題を解決できるのか? 所詮は担がれた神輿にすぎないのか? 見守りましょうか。

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