2009
10
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F1の3倍以上速い!地上最速のマシンとは

SSC.jpg

オンロード・サーキットにおける最速のマシンとは、欧州系フォーミュラー最速カテゴリーの"F1"でしょうか。
かつて某民放アナウンサーの言葉では「音速の・・・」と表現されましたが、もちろんそれは地上での速さを比喩した言葉であって、仮に最高速のセッティングを施しても時速400km前後と言われています。

その3倍を超える、つまり本当に地上で「超音速」を達成したマシンがコレです。
1997年10月13~15日 米ネバダ州において、英国人からなるチームは地上最速のマシン「スラスト SSC (Thrust SSC=SuperSonic Car) 」を駆り、世界初の自動車による地上での超音速≒時速1230kmを達成しました。
なお公式には15日付けの速度記録となっていますが、非公認ながら13日には既に超音速を確認済み。
ちなみにその50年前の10月14日は、チャック・イェーガーとベルX-1が有人・水平飛行での超音速を達成した記念すべき日でもあります。
ThrustSSC.jpg
Thrust SSCと、その英国クルー達

SSC は「自動車」といっても、やたら細長いジェット機の機体のようなボディに、まんまジェットエンジンを左右に2基抱かせたような特異な形状をしています。
Thrust SSC

SSC_All.gif

巨大な同エンジンは英国ロールス・ロイス社のスペイ(Rolls- Royce RB.168 Spey)と呼称されるものでして、かつて英国航空業界の遅れから止む無く米国製の戦闘機「F4-J ファントム」を採用する際に、英国人最後の意地として優秀なオリジナルエンジンを捨ててまで搭載したもの。
ゆえに英国 王室空軍(The Royal Air Force:RAF)のファントムだけは、他国の単純なライセンス生産機とは区別(搭載エンジン起因して機体形状も若干異なる)され、「ブリティッシュ・ファントム」と呼ばれるんですよね。

SSCの操縦者にも、現役RAF中佐のアンディ・グリーン氏を求めるなど、思うにこのチームによる挑戦そのものが「ジョンブル魂」の示現なのかもしれません。
thrust_ssc_andy_green_driver_dismount.jpg
機体から降りる、「アンディ・グリーン」氏



達成時の状況は、動画で紹介します。

良く言えば戦闘機のコクピット風、ただ...妙に手作り感あふれる?コクピット映像
Thrustssc goes supersonic

どういう制御なのか?よく判りませんが、常時ものすごい量の修正舵には緊張感が漲ります。

車外カメラ視点
途中一度画面が乱れます。 どんどん赤みを増すジェット排気と、ルートらしい走行跡?を大きく外れてドキドキします。
広大な平原にも驚きますが、移動速度を考えるとドラッグ・シュートが開かないと大惨事ですね...。スゴイ。
Thrust SSC - World's fastest Vehicle 750+MPH!!!



その瞬間、轟くソニックブーム
Thrust SSC | SSC | Thrust SSC : Breaking The Sound Barrier

周囲ではこんな風に聞こえるんですね、ちょっと感動。


冒頭の妙なBGMは余計ですが、ソニック・ブーム付近は実音のみのようです。
流れる背景に、地上でのマッハ=驚異的な速さが判ります。
Thrust SSC Supersonic Boom



なお、私もその一人ですが一時流行した「空想科学○本」シリーズ読者にとって疑問なのは同時発生するであろう「衝撃波」でしょうか? やや強調されたもの?ですが、一応その画像もあります。
Mach.jpg

これぐらいの物体(正面投影面積)が超音速で通過する際に周辺に巻き起こす「衝撃波の威力」は俗に信じられている?よりは遥かに小さく、かなり近傍を通過すれば人体にとって(鼓膜を別にして)不快以上~致死未満の衝撃を浴びる程度のようですが、「何でもかんでも破壊する」ような威力はないとのこと。
ジェット機などが市街地被害を避けるため高空を飛ぶ、というのは直接の「衝撃波」というより、派生した「音波(被害はその周波数に起因)」を届きにくくするためなんだとか。

音速とその挑戦もスゴイけど、その速度を出せる北米の平原もスゴイと思ってしまいました。



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