2010
03
13

「サマーウォーズ」は「デジモンアドベンチャー」である件

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細田 守 監督の劇場版 アニメ「サマーウォーズ」は
第 33 回日本アカデミーにおける『最優秀アニメーション作品賞』を受賞。
オリコン 3月 15日付ブルーレイ& DVD 販売ランキングで初登場総合1位に加え、アニメブルーレイ作品の売上歴代 1 位とのこと・・・。

へぇ・・・  そうなんだぁ。

先日は一般受けしそうもない TV アニメ「とある科学の~」を特集したんですが、今回はこっちを紹介。
あ、でも褒めてない&ネタバレなので、期待がある・ファンの方は、どうぞご遠慮下さい。

同作は小学生ぐらいのお子さまや、親子で観るのにふさわしいファンタジーアニメです。
それは、コンピューター・ネットワーク傾倒する社会の中にも、親子や家族、あるいは見も知らぬ多くの人々との、懸命に結ぶ人と人の絆を描く感動の物語。


話中には進歩した近未来の巨大な仮想空間「 OZ (オズ)」を表すグラフィック・イメージや・・・
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高度なコンピューターやネットワーク系の設定を「思わせる」ヘンテコ場面なども多数出てきますが・・・
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それは「ファンタジーのちょっとした演出」であって、リアリティの追求ではありません。
無論、その手に少々詳しくても「ツッコんだら負け」です。




物語ではペンタゴンの暗躍からネット空間に突如現れた、邪神の如き超悪役
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「ハッキング A.I 」の「ラブマシーン」くんが現れ

花も恥じらうヒロイン夏希は・・・
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一族郎党と全世界のネットユーザーの期待を一身に背負い・・・
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さらには、それを見守るシステムの守護神からの祝福を受け、マジカルフュージョンして賢狼化したりしますが、それはネットアバターを演出したファンタジー世界での出来事。
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なお、この時点でうっかり「獣耳萌え」などしてしまう方も失格となります。


そこでは「ゲーム好きなラブマシーン」の性質を逆手に取り
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世界の存亡を掛け デッキにカードを並べ 和の遊戯にして、陣内家伝統の花札勝負を挑む。


また、オズ世界での格ゲー・ヒーロー「キングカズマ」は、格闘ステージでの「ラブマシーン」直接対決を担います。
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んまぁ、軽口が過ぎましたが概略は合ってるハズです。
論調がキツイのは、私自身、同監督の代表作「時かけ」はステキだと思ったので DVD レンタルで観たら・・・

ナニコレ?  だったから。

開始30分・・・
「えぇ?コレって、対象ユーザーはどの辺なの??」
と茫然自失でした。

ちなみに、表題の「デジモンアドベンチャー」ってのは、軽口や冗談じゃないんです。
既知の方によれば、どうやらこのストーリー自体、同監督の「東映アニメフェア」劇場版 短編作『デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!』 の焼き直しにしか見えないとのこと。

劇場版デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム! Part4


知っていた方は「サマーウォーズ」公開前の予告編の時点ですら、ほんのり予感していたらしいですね。
" 東映アニメフェア " では「子供向け」で、 " サマーウォーズ " だと「素晴らしい」とするなら、それは好意的に捉えれば流行が後押しした再評価。 悪く言えば偏見と差別なのでは?

世間一般の「アニメ認識」ってのは、未だそんなモンなんだと痛感する事象でした。


ま、せっかくなのでその他も少し紹介しておきましょう。

対決パートでの直接対戦を担当した「キングカズマ」
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実世界での彼は少々ヒネクレ者ではありますが、オズを通じて新潟の万助じいちゃん=「師匠」から少林寺拳法を学んだネット界のヒーロー。 「お誕生会」からの会合では、直接の心技指導をも授かることに。

ところで、万助じいちゃんは非常に濃ゆいキャラ立ちとスタン・ハンセンナイジェル・マンセルを足して 2 で割ったような外観ですが、これでも陣内 栄の次男です。


陣内家といえば、一族を束ねる大黒柱たる16代目当主
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90歳の栄(さかえ)大祖母様は、実に素敵な存在でした。

一方、意味ありげな出現なのに、物語への絡みはやや少ない微妙な存在。
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一族のニヒルなはぐれ者、侘助は「あのシーン」の・・・


本家筋の長男、理一さんは登場が少ないことが、逆にその存在感を際立たてます。
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やや奇妙なのは、その謎めいた実力や存在感が「 旧軍の情報将校 」といったイメージなこと。
緊急とはいえ、素敵なノーヘル側車搭乗シーンを説明もなく正当化できるのは「イイ話」だからですか?


あぁ、そうそう。
同作では全編に美麗な CG 画に加え、グラフィッカーというよりは絵師と呼びたくなるような存在を感じる、素晴らしい背景画だらけですが・・・・
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設定上の陣内家は、武家の旧家としてもやや規模が大きすぎかも。 私の実家も城下町ですが、コレじゃお城か守護神社だろってイメージ。


背景に描かれた美麗画の反動として、動くアニメーションとの乖離にやや興ざめな画があること
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せっかく素晴らしい画を描ける人材が居るであろうに、背景におけるアウトラインはフリーハンドを一切除外したかのような CG によるらしいキッチリとしたパースが目立ちます。
掲載画像とは別ですが、場面によっては目視での視覚上からは逆に違和感のある (計算上の視点なので象が一切歪まない) 線となり、部分的には一種の 「塗り絵」 然としてしまっている。

CG 合成上の基点としては「完全なる透視投影」が必要なのでしょうし、 描画上も「効率的」なのかも。
でもそこをちゃんと「観せる」のが、アカデミー賞たる映像技術なのでは?


さらにこんなシーンも奇妙。「動くなら」食卓にのぼる食品は別画かもしれないが、ココは一切動かない。
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もしかするとテーブルへの「反射」 CG 合成に必要だったのかもしれませんが、それこそ「手で」描画すれば済む話に見える。

ま、現時点での世間のアニメ認識からは「そんな細かいこと」なんでしょうが、それは「所詮子供向けのマンガ」という見識か、「そこは重要じゃない」という日本風アニメな視点かも。 海外の一部フル CG アニメでは、数年も前から自然かつ当然に描画されている内容だったりします。


え?主人公が紹介されてない?
う~ん、その健二くんなんですが・・・「数学オリンピックの日本代表」の次点?
いやぁ、その卓越しつつも隠れた才能は「数学者」というより「サヴァン症候群」そのものといった印象なんですよねぇ。

でもまぁハッピーエンドなので、大団円とともに明るいミライをイメージされてますよ。
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強い女性像と、どこか頼りないが、諦めない心を持つ好青年ってのは・・・
今やアニメ・マンガ括りだけじゃない、実社会への対象デフォルト設定なのかな?


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