2012
10
03

パソコンで出来る、大津波・洪水の被害想定

News_Nankai_majorearthquake.jpg

「南海トラフ巨大地震」 に対する国の被災想定は、大きな衝撃を呼んでいますね。
でもこうした大地震と大津波は、いつか確実に起こる。
それが百日後か?百年後か?が判らないってだけでしょう。

そこでパソコンで手軽に出来る、津波危険度の予測法を記載してみます。
なお主に地震津波を想定してますが、河川氾濫に対する浸水域の予測も出来ます。

とはいえ、その手法は至って簡単。
津波・洪水の危険がある地域では、標高が判れば大よその浸水域の予測が可能になる。
それを Google Earth の同表示機能を使って調べるだけです。

Google Earth ダウンロード
http://www.google.co.jp/intl/ja/earth/index.html

Gmap_Rikuzen_takata.jpg
画像下の赤囲みが(海抜)標高ですが、マウスカーソル位置で数値が変わる点には留意。
概ね正確ですが、海抜マイナス標高であってもゼロ表示のようです。
画像は岩手県 陸前高田市(国道 45 号線)、恐ろしいことに青線が今回の津波高です。

Google Earth インストールや動作困難の場合、機能追加版の Google Maps も使えます。
Google Maps 標高 (有志による App 追加マップ)
http://wisteriahill.sakura.ne.jp/GMAP/GMAP_ALTITUDE_II/index.php

また、ややマップ精度が粗いものの、視覚的には Flood maps 優れます。
http://flood.firetree.net/?ll=33.8339,129.7265&z=12&m=7

この Flood maps は、もともと海水面上昇に伴う水没域を仮想した地図ですが、初期表示の 7m が先の震災津波による(三陸沿岸など波高 15m 超の)浸水被害地域に酷似してることで注目された存在です。


○「南海トラフ巨大地震」に伴う大津波(想定)
国の予測では、最大で東日本大震災時の 1.5 ~ 2 倍弱の大津波が襲うというもの。
suppose_Nankai_majorearthquake.jpg

東日本大震災時の津波高(調査推定値)
311Tunami_hight.jpg

津波高の定義
define_Tunami_hight.jpg


○浸水(波)高による危険度
津波や洪水での浸水が予測される場合、どの程度から危険なのか?
建物の一階、或いは地上を徒歩やクルマで移動する場合、浸水高 50cm もあったら健常な成人男性でも非常に危険(一般車両も流される)であり、 1m では生存率はかなり低いとされています。

先の被災実例から紹介。
by_the_tunami.jpg
画像は宮城県 亘理町における、家屋二階からの撮影で津波来襲直後のもの。
沿岸側からの流失家屋なども散見されますが、少なくともこの時点での浸水高は 1m もないように見えます。

carride_car_away.jpg
同宅駐車場に停めていた流出車両の状態。
コメント不要ですね・・・

【東日本大震災】茨城県北茨城市磯原町における津波被害の様子

凄惨な被災地に比べてこそ穏やかには見えますが、逆にこれが生存ギリギリのライン(近隣の独居老人は亡くなったとのこと)だったからこそ記録出来た貴重な映像でしょう。
撮影者の 「海が溢れてくる」 が、現実の津波感を良く表しているように思います。

Izura_coast_STview.jpg
現地の津波高は 4.4mに対し、同海抜標高は 10m 前後の模様。

言葉のイメージから 「津波」 というより 「鉄砲水」 「洪水」 を思い浮かべてもらうと良いかも知れませんが、沿岸やそこにそそぐ河川周辺域では、仮に津波高の倍の標高があっても生存の危険域となるようです。
5m の大津波が予測される⇒自分が居る場所は標高15mだから安全、ではありません。
警報の津波高≧防潮堤(堤防)なら、とにかく高地(または鉄筋建て 3 F以上の建物)に急いで避難するのが賢明でしょうか。

evacuation_route_Kita_Ibaraki.jpg
撮影者さんは 70m 先の常磐線が通る高台(標高 25m 前後)まで駆け上がっていることが判ります。

Tunami_Kita_Ibaraki_video.jpg

Tunami_Kita_Ibaraki_STview.jpg
浸水高は 50cm 未満に見えますが、全重 1.5t 前後の普通車両も浮き上がっている。
また、標高から推定すると、遡上高は 20m 超(津波高 4.4m )になるように見えます。

「現地は防潮堤が低いため浸水が拡大したのでは?」 と感じる方が居らっしゃらるかも知れません。
そこで比較的近隣にあり、まっとうな防潮堤も備える大洗港での被災例も掲載。

大洗町を襲った大津波 動画+静止画(2011.03.11)

現地の公式津波高は 4.9m 、最大浸水高は 2.4m という情報があるようです。
役場前の映像
entrance_Ooarai_cityhall_video.jpg

同 Google Earth 画像
entrance_Ooarai_cityhall_STview.jpg
この比較において、やはり平均的な浸水高は 1m 前後に見えます。

これを南海トラフ大地震での大津波想定に当てはめると、太平洋岸の広域で緊急避難が必須になることに。
最近の地質調査によれば、約二千年前にこの数倍の大津波(推定 50m 級)があったとも言われています。


まぁでも、大地震や大津波、或いは河川氾濫など、直前まで予測しようもないというのも事実。
自分の身には一生起こらないかもしれないし、逆に来週起こっても不思議じゃない。

ただ・・・幾つかの被災映像を見ていて感じたのは、避難どころか津波自体を予測せずに被災しているケース多々があること。
水や食糧などの備蓄や、各種防災グッズといった物理対策は、生き残った後の話。
まずは、在宅・通勤通学において緊急に避難出来る場所とその経路を忘れないのが第一歩でしょうか。

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