2017
06
21

とある自作er が振り返る、AMD 昔話とか

Junk_CPU560.jpg

AMD " Zen " 系 CPU の公開や発売から、近頃は久々PC 関連の話題が賑やかですね。
「 AMD 反撃の狼煙」「 Intel 焦ってる」など熱いコメントも、久々に見掛けました。
Intel でも Skylake-X や Coffeelake 計画の前倒しを発表など、熱気の後押し感アリ。

でもふと思うに「 Intel vs AMD 」構図なんて、今や PC マニアしか知らないかも?
そんなこんな胸熱の今だから振り返る、とある自作er の昔話とか、書いてみます。
えぇまぁ、特に更新ネタが思い付かなかったんで、お茶濁しにね。

まっ、あくまで体験(主観)ないし、自作の先輩や仲間同士での雰囲気の話ですよ。
当然に自作系で扱いの製品群だけ・業界論などではなく、エンドユーザー視点にて。
あぁそれと、たぶん AMD ファン憤怒の内容でしょうから、その場合は閲覧注意で。


○はじめに
昔話とはいえ、別に AMD 全史を紐解こうって訳じゃないんで、'01 年以降に限定。
というか、この頃が現在の PC 文化と並行比較し得る、最初期の年代じゃないかと。
 ⇨ブロードバンド& WinXP の登場もあり、自作を含めた PC 需要が激増
 ⇨ AMD は Intel 互換ベンダから脱却し、独自プラットフォームで勝負へ
 ⇨現行自作に通じるソケット形式 ( Socket A / 370 〜)での CPU 構成

それと何より、当時のバブルがソフト・ハード普及面で今へ至る IT の黎明期かと。
SP500_IT.jpg
 合衆国における IT 系銘柄への投資指数( S&P 500 )

それが『バブル』とはいえ、15 年以上経った今が同レベルという途方もない数値。
'99 年に Microsoft の株価極大、近年 Apple Inc がそれを超えた報道が象徴かなと。
(※株価に関しては、'16 年に再更新)
雑な解釈なら、現モバイル関連投資や需要が、当時 PC 系のソレに相当でしょうか。


○ AthlonXP と Pentium 4 :少なくとも「ライバル」じゃない

Pen4AthlonXP.jpg

割と人気のあった AthlonXP / Duron ですが、自作er としての評価は以下。
 ⇨性能面で拮抗・対抗するのは、在来 Pen Ⅲ ( P6 )系のみ
 ⇨ Pen 4 ( Netburst )系が得意とする分野は一切競合せず
 ⇨発熱や安定性(偽造品含む)において、良質構成は限定的


要は初期 AthlonXP 系の実質競合は「鱈セレ」あたりで、更に言えばより廉価志向。
賛否両論?のモデルナンバーとは無関係に、Pen4 利用層とは用途不一致で競合せず。

ここで、Pen4 が「得意とする分野」「用途」って何よ?とかお思いでしょう。
ぶっちゃけ「エンコ」で、具体活用術なら「 DVD Shrink 」は今でも通じますよね?
DVD_Shrink2-3.jpg
でも一応グレー話題なんで、ぼやかして「マルチメディア性能」呼称とか定番かと。

また既に一部では「 TV 録画+再エンコ」な PC 活用もあり、他にない能力は貴重。
何れにせよ、その差は歴然・圧倒的ゆえ、P6 , K7 コア系は「事務用」扱いでした。

 ☆ Pentium 4 が唯一無二だったお話
えぇっと、先ずは当時の自作er における、PC の稼働目的とか触れときましょうか。
Excel など事務用途や CD コピー程度なら、性能や構成に深慮は要らず、まぁ論外。
特定の高性能要求には 3D ゲームや、業務系ならフォトショ等重量級ソフト稼働も。

そんな中、割と自作 PC らしく汎用なのは「エンコ」で、その後の定番になります。
さらに DeCSS 公開後の「 DVD リッピング(コピー)」は、格好の Pen4 活用術へ。
 ⇨ '02 年 DVD Decrypter + 北森 Pen4 により、非常に高速かつ容易に実現
 ⇨ '03 年 DVD Shrnik +北森 Pen4 C コアは、より汎用な圧縮複製も容易に
 ⇨ '04 年 廉価で良質な DVD-R が普及、コスパに優れた PC 活用として波及


まぁ Pen4 にもダメ世代はあれど、用途代替の構成が存在しないのもまた事実でした。

この『 Intel とガチ勝負』『競合ですらない』断絶が、後も続く対立図の始点かな。
また大手メディアは対比の図式を採り上げて大いに煽りましたが、それは業界の論理。
ついでに言うと、この頃から「勝利」結論ありきの AMD 信者が顕在化したかも。

なお AMD 系の動作問題は自作er 間で広く認知だったものの、割とウヤムヤな扱いに。
 ⇨曰く「一部の相性問題」「改善の予定」「偽造品など流通上の問題」
ただし大問題ほど無サポートで消失→別製品や新版が出るなど、信頼を損なう帰結へ。
当初は両環境を利用してた方の一部が、後に「 AMD 嫌い」に至る理由はコレ系です。

※リマーク CPU に関する補足

偽造 CPU の問題については「アスロン リマーク」等でググると複数ヒットします。
同問題は Intel 系にも存在ながら、バルク流通多数の AMD 製品はより深刻でした。

↓ '99 年頃?の初期事情
PC Watch :AMUAMUのアキバここだけの話 CPUの新製品、流通業界の裏事情
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990526/amuamu02.htm

↓末期の大規模摘発?その年代や驚愕の推定出荷量、一部の反応等が分かります。
Cnet Japan :台湾でAMDチップを違法改造した業者を一斉検挙
https://japan.cnet.com/article/20079907/
大規模Athlonリマーク工房が台湾で摘発 | スラド
https://srad.jp/story/05/01/03/0734237/


 ☆ AthlonXP 系の話題
実を言うと特に無いし、逆に否定的ですが、Pen4 話題が長かったので触れときます。
Thoroughbred1700.png
俗称「苺皿」に代表されるように、「皿」「豚」世代では OC (や DC )話題が隆盛。
「当たり石」入手等の問題に直面しつつも、自作er の端くれとして挑戦はしました。

結論はネット検索上位とかの内容はほぼ困難、極少数の良品でしか実現し得ない感じ。
一応 2 〜 3 個はガチャったんですが SS レア級は既に愛好者が握ってる気がしました。

でね、AMD 製品では良く「 OC 話題」を見掛けるけど、難易度で言うとむしろ奇妙。
そもそも AMD 系ではクロックあたりの発熱・消費電力が高いなど、正直向きません。
いやまぁ「それゆえに浪漫」かもですが、少なくとも Intel 系のソレとは比較以前。
Intel 系なら、無作為な購入かつ平易な設定で、もっと気軽に実現可能でしたよと。


 ☆ Pentium M 系:一世を風靡した Core2 系への序章

PenM_Dothan-Yonah_map.jpg

後述 Athlon64 の項でも触れますが、実際には '04 年に Pentium M 系も登場します。
当初はかなり高額、或いは流通量僅少と入手難も、静音 PC 流行と共に注目の存在に。
 ⇨元々モバイル向け: Pen4 環境での消費電力や冷却等の問題は、一掃へ
 ⇨同上: Pen4 系を全代替する能力はないが、DVD コピー程度なら無問題
 ⇨ '05 年には廉価な S479 下駄+ Celeron M などにより、入手懸案も解消


コレ系は初期〜手頃な Dothan 対応機 と '06 年初のYonah 対応機で大きな違い。
Yonah 対応機なら、そのまま Core , Core2 利用へと繋がり、同ブームをリード。


○ Opteron / Athlon64 :良くも悪くも AMD の転換点
Pen4Athlon64.jpg

「 AMD 64 」や「サーバ 分野への進出」等々、AMD 史における輝かしい製品群。
公表からの遅延もあり、登場期には各メディアで期待と賞賛をもって紹介でした。
いや実際、当時 Pen4 に飽きた Intel 派な自作er すら期待した CPU だったんです。

でも苦労して( AMD の伝統=流通量僅少)入手の先輩 PC で、期待は錯誤と判明。
やたら強気な価格設定に反し、全般に低性能(エンコ系はダメダメ)でコスパ最悪。
また結果論ながら、コンシューマー系での 64bit 普及は '09 年 Win7 以降の話です。
一言、「ハイ解散!」事案でした。

一方で、同年代の Intel には省電かつエンコ性能をも備えた Pentium M 系も存在。
考えつく範囲では Athlon64 系に最適な用途が見当たらない、が当時の実感です。
 ⇨ AMD 製品比較でも、単純なコスパ追求なら下位 AthlonXP で充足
 ⇨販売低迷の Prescott に勝利と誘導されがちだが、実競合はしない
 ⇨高性能ないし発展版の FX , x2 系も、エンコ性能は極めて低かった


同製品群は後年やたら賛美されてますが、それは AMD 史における業績上のお話かと。
搭載の新機軸はともかく実用観点で言うなら、その有意性すら首を傾げたくなる存在。
更に同アーキは微細化の恩恵等はあっても、末期まで基礎的な能力刷新が不足でした。

いやまぁ「 Intel 支配の x86 市場に衝撃」とか書けば、カッコイイんですけどね。
でもそれって、ユーザー利用感じゃなくて「思索的な AMD 礼賛」でしょって話。

↓そういう読み物として堪能なら、当時の中の人のこの連載はアツいです。
巨人Intelに挑め! – サーバー市場に殴りこみをかけたK8
http://news.mynavi.jp/series/amd_k8/010/

なお同期は業務系を含めシェア拡大しつつも、急激に財務悪化していく間の世代。
AMD、2004年決算は過去最高の黒字
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0119/amd.htm
AMD、2005年第4四半期は過去最高の売上~CPU部門が売上高の記録更新
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/0119/amd.htm

【決算】AMDは「受け入れがたい」業績悪化,粗利益が1/2以下に
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20070420/131297/?rt=nocnt


○ Phenom :どうしてこうなった
世は Intel Core2 系の人気が爆発。比較しようにも「周回遅れ」に陥っていました。
CPU黒歴史 真の4コアCPU 初代K10は高消費電力で低性能?
http://ascii.jp/elem/000/000/646/646906/


○ Phenom II / Athlon II :優劣ではなく、自作er の浪漫として
Phenom-II_x6_die.jpg

買いやすい価格で 3・4・6 コアを揃え、自作er 的に (・∀・)イイネ!! と思わせた良品。
当時マルチコアの有意性は薄いと判明でしたが、それでも「浪漫」ある製品でした。
 ⇨基礎性能は Core2 系に劣るものの、許容範囲
 ⇨ここへ来て、ようやくエンコ性能も必要十分なレベルに
 ⇨ Phenom 世代より微細化が進み、発熱・冷却も無問題へ

ただ・・・やはり Intel 系と比べると性能面では世代遅れというかパッとしない。
当時殆どのソフトウェア動作上、マルチコア性能を活かせなかったのは残念です。
今期の RYZEN 登場に際し、個人的に真っ先に思いを馳せた先達がコレ系ですね。

程なく Clarkdale 系 Core i が夢の 4GHz ( OC )突入、興味はまたも Intel へ。
さらに翌年、それら全てを一気に過去の存在へと追いやる SandyBridge が登場。


○ Bulldozer 系: どうしてこうなった 2
昔話どころか系統としては現行であり、言及不要でしょうが初期の問題点には
 ⇨全刷新とはいえ数年前の自社 CPU にすら劣る、奇抜なアーキテクチャー
 ⇨特徴的な「物理 2 コア/ 1 モジュール」は処理系問題や利用者不審を招く
 ⇨ RYZEN でも露呈したが、AMD は直接関係する業種との協調体制に欠ける


他方では性能云々より、至る AMD の強気広報や同調プッシュする業界の闇に辟易も。
いやまぁ企業ですし、勝負する以上は優劣とか関係なく強気で推すでしょう。
関連メディアなど業界としても、二社の競合を煽ることが活性化であり正義。

ただねぇ、少し視点を離すと、世はスマホ類が躍進し x86 には陰りが見え始めた時期。
旧態依然なユーザー嗜好に擦り寄ったり「そうと幻想する」情報が蔓延る世界を実感。
まぁ消費者が欲しがるのは「夢のあるストーリー」であってデバイスじゃないけどね。

また興味深かったのは、逆風にも全くブレない支持から各所で論客となる信奉者達。
長年工作員(マーケティング業務)説をも疑われる「 AMD 信者」像が浮き彫りに。
 ⇨口コミ系など製品評価の情報掲示板には、絶賛しつつ高評価で埋める
 ⇨義務的なまでに「 Intel 製品を凌駕した」「コスパが良い」詠唱を行う
 ⇨ AMD 製品の低評には、(理論プロレスで)理路整然かつ高圧的に臨む

いやぶっちゃけ、そうした賞賛通りと誰もが感じてれば、低迷なんてしてないっしょ。
噛み合わない論争を避けたいだけで、Intel ユーザーはそもそも AMD なぞ眼中に無い。
だいたい優劣の物差しが Intel 比較論ってのは・・(以下略

えぇまぁ、長年の PC 愛好者なら諸々の事情を察し、敢えて言及しないだけの話です。
AMD 製品とは、Intel が追求しない分野のスペックを填め込み、優越を匂わすニッチ。
 ⇨同主張のみを真に受ければ、あたかも Intel 製品が劣るように錯覚
でも今や Intel の敵は x86 外にあり、消費が盛り上がるなら喜んで競合するでしょう。


最近ネットで何度か見掛けた一文が、現況を上手く表してる気がしました。
『ありがとう AMD 』


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