2009
05
09

嘘を嘘と見抜ける人

「嘘を嘘と見抜ける人でないとネットを使うのは難しい」
"ひろゆき"氏の有名な言葉ですが、今回は著名メディアも見事に釣られました。

jarre-afp.jpg
オスカー受賞時の、故ジャール氏 PHOTO: FRANCE-PRESSE

フリーのオンライン百科事典「ウィキペディア(Wikipedia)」の項目について、ダブリン大で社会学と経済学を専攻する22歳の学生が、自身は「グローバリゼーションの研究」と主張する「嘘の編集」を行いました。

結果は見事的中!
英の一流紙「ガーディアン」「インディペンデント」をはじめとする複数の新聞社、音楽専門誌「BBC ミュージック・マガジン」も釣られる(=記事として掲載)結果に。

彼の投稿はわずか2分後から「真偽不明(=要出典)」の状態とされ、修正と削除を繰り返しながら9時間半程度記載。その後の再投稿で「要出典」が付かない状態で約10時間の記載された様子。
しかし記載は直前に亡くなられたオスカー受賞の著名な作曲家に関する内容で、タイミングとしての「わずか数時間」は、差し迫ったメディア・ライター達の出稿期限とも重なった模様です。

ダブリン大でどうかは知りませんが、一部大学ではWikipediaソースを学生が引用することを禁じていますね。
彼の告白によれば、「何度も書いた論文テーマにうんざりしていた」とのこと。今回の「研究」とやらは、「裏が取れている」ことを最重視するであろう、ニュース・メディアへの皮肉たっぷりの誘導尋問だったのかも。

なんにせよ迷惑行為であって、決してほめられた内容ではありませんが・・・

でも彼が触れているように、一流紙のライターが「一次ソースもないような、ウィキペディアの記述を使うなんて」確かに驚きました。
映画「クライマーズ・ハイ」での主人公(統括記者)が、常につぶやくセリフ「チェック、ダブルチェック」が脳裏を過ぎります。
   Climbers-high.jpg
              Climbers-high2
イメージ画像:「クライマーズ・ハイ」予告編 より


今回の事件発覚を受けた、とあるWikiユーザーの言葉。
「公共物への悪質な悪戯か、社会学の学生によるすごい実験か、あるいはその両方か。」


Shane_Fitzgerald.jpgもっとも、3月末に発生したこの件がニュースとして今頃出てきたのは「嘘の投稿者本人」からの論告があったから。
 速報を旨とし、どんどん流されてゆくニュースソースの実態が明らかになるのは・・・実は「誰かに確認されてから」なのかも。



アイリッシュ・タイムズ(Irish Times.com) より
学生自身が寄稿した記事  「ネットの嘘で露見した、怠惰なジャーナリズム」
http://www.irishtimes.com/newspaper/opinion/2009/0507/1224246059241.html

学生によるWiki記述履歴
http://en.wikipedia.org/w/index.php?title=Maurice_Jarre&diff=280558753&oldid=280527998
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